インドネシアには若い世代が多く住んでいるので、これからますます経済成長していくことが見込まれているだけでなく、インドネシア自体が巨大市場として注目されています。若者が多いということは、若者向けの商品が爆発的に売れる可能性があるということ。とくに自動車業界はインドネシアに注目しています。国際モーターショーも開催されていて、トヨタやホンダといった自動車メーカーが進出しているのです。インドネシアの交通手段としてはバイクや自転車が一般的ですが、所得向上が進むにつれて自動車の需要が高まっています。自動車メーカーはさらにインドネシアでの業績を伸ばしそうです。
ほかの日系企業としては、紙おむつを生産するユニ・チャーム、スキンケア用品や整髪料を販売するマンダム、お菓子メーカー森永などが挙げられます。ユニ・チャームはインドネシアでの紙おむつのシェアを半分以上占めていますし、マンダムも現地工場の生産量が毎年増加しています。森永製菓は現地で合弁会社を設立して業績拡大を試みているようです。いずれの日系メーカーもインドネシアを分析して、重要な市場ととらえているのです。
最近では食料でも工業製品でも中国に生産を頼っていた状況を変更し、他の国に生産拠点を移す動きが広がっています。チャイナプラスワンと呼ばれる現象です。インドネシアでは働き手となる若者が多いことから、その点でも注目されており、大量生産拠点としてますます日系企業は進出していくことでしょう。
日系企業に入るとこんな月収です
インドネシアで日系企業に雇われた場合、実際の年収や月収はどの程度になるのでしょうか。業種やスキルによって違いがありますが、全体の平均としては月収20万円前後、年収にすると500万円前後といったところです。
たとえば資材販売の営業やメディアの編集業務などですと、インドネシアルピアにして月収20,000,000~50,000,000の開きがあります。これは日本円にすると大体17万円~40万円くらいです。それまでのキャリアや採用後の成績によって開きが出てくるからです。工場の生産管理などの管理業務も大体同じくらいの水準で、20,000,000~30,000,000ルピアくらいの求人が多く見られます。契約期間は3年くらいが平均的です。
自動車や電気メーカーの大きな工場で、管理職やマネージャーなどかなり責任のあるポジションに就くとなると月収はもう少しアップし、大体30,000,000~50,000,000ルピアになります。工場長や、ほとんど経営を肩代わりするような役職になることでしょう。さらに住宅手当などが加算され、ボーナスが支給されることもあります。
逆にもう少し安い給料の業種としては、カスタマーサポートや飲食業、サービス業があります。15,000,000~20,000,000ルピアでの求人が多いようです。これらは主に若い人たち向けの求人情報であり、たとえば腕のいいシェフなどはもっと高い給料での需要があります。ほとんどがジャカルタでの採用になりますが、他の都市でも就職は可能です。その場合は少し給与が安くなる傾向にありますが、ジャワ島などの観光地では逆に高いケースもあります。